2回の全身麻酔ですっかり衰弱してしまった母は、黄疸もだんだんひどくなってきて、日に日に元気がなくなってきます。
間が悪く院内にノロウィルスが広まり、抵抗力の弱まっている母はたちまち下痢の症状が。正に弱り目に祟り目状態。
頼みの綱となるはずの担当医は、何を話しても「自宅に引き取れ」と言うばかり。
四面楚歌の状況の下、ひたすら新たな受入れ先を求めて駆けずり回りました。
■介護難民
特別養護老人ホームは、終身での受入れで、一度入所できれば最期の看取りのときまで頼ることができます。うちの両親も入所の申し込みは行っていたのですが、残念ながらまだ手続き途中。たとえ入所OKとなったとしても、実際に入所できるのは、まだまだ何ヶ月も先の話。
既に治療の手立てはない状態なので、ホスピスも考えました。ネットで調べたところ、トヨタに代表される大手メーカーが集中、経済的なインフラは整っているはずの愛知県ですが、ホスピスは県内にたった一箇所。
とりあえず電話を入れこちらの事情は説明しましたが、「余命2~3ヶ月で既に治療の方法がない方」が対象とのことで、母の場合、医師の診たてが余命1ヶ月~半年というはっきりしない内容であったため、「本当に当方への入院が妥当な病状か再度担当のお医者さんに確認して下さい。」と言われてしまいました。同時に、別のところからは、「申し込んでも2~3ヶ月待ちが普通」というお話も。それが本当だとすると、無事入所まで辿りつけるのは、宝くじに当たるに等しい確率。一応、入所の申し込みに必要な診断書等は準備しながらも、「市場の福引にも当たったことがないのにとても無理だわ」といった思いにさせられました。
相談を持ちかけたケアマネさんが「受け入れの可能性のある施設」としてリストアップしてくれた先は、大きく分けて次の二つ。
一つは、老人病院(長期療養型の病床を主にかかえている病院)。
もう一つは、老人健康保健施設(病院で治療を終えた老人が社会復帰のためリハビリを行うことを主目的にした介護施設)。
大規模な老人病院は、受け入れてもらえる可能性は高いものの、急性期病院等に比べ診療報酬が低く抑えられていて介護の人手が限られます。寝たきりで自力で食事が取れないような老人も、ベッドの背もたれを起こし、シーツが汚れないよう介護用のエプロンを広げて、座卓に食事を並べると、食べてあってもなくてもお構いなしで時間になればさっさと片付けられてしまうなど、機械的に扱われ、ベッドに縛り付けられたまま放置されるようなケースもあるなど、あまりよい情報が入ってきません。
一時入院していた叔父を見舞った際の印象もあまり芳しくなかったので、まず、それらの病院は対象から除外、距離的に近い老健の施設を優先して、片端から順に電話でコンタクトを取りました。
病院ではなく介護施設にこだわったのは、入院中のH市民病院は病室が個室なので、誰か介護に付いていられる間はいいのですが、一人で病室にいる間の淋しさが大きなストレスになっていました。限られた残り時間ではあっても、同じ立場の老人が周りにいる環境に移してあげることができれば、多少は癒されることができるのではとの願いもあったからです。
これは後に父の介護の際分かったことですが、同じ医療行為でも、特養の方は外部から派遣された医師が行うのに対して、老健の場合は施設に属する医師が行います。そのため、老健では施設によってそれぞれ受入れ対象者の範囲が異なります。
母の場合、投薬の必要等はないものの、「胆道がふさがり黄疸が出ている」と説明した時点で、大半の施設は門前払い。
一応受付まで辿りついた施設も、診断書の内容や認知症を理由に断られたり、入所申込書の受付まで辿りついたところも、順番待ちで、いつ空きが出るか分からない状態。
■ようやく転院先決定
電話で門前払いを喰らったところは別にして、一応申込みまで辿りつけたところにしても入所の可否がはっきりするまでは時間がかかります。
まず、電話で事前の面談(とうぜん、本人は出向けないため、代理として肉親の私が面談)の予約を取り、面談をクリアーできれば申し込み用紙と専用の診断書を頂いてきます。病院で診断書を記入してもらうのに1~2日、それを再び病院に受け取りにいって申込書と一緒に施設に提出。たいていの施設は、週に1~2回内部で判定会議があり、それが終わって初めて受入れの可否が決まります。
病院の担当医から告げられたタイムリミットは2週間、とても結果がはっきりするまで待っている猶予はありません。結果もはっきりしないまま、次から次への施設詣で。書いてもらった診断書の数も半端じゃありません。
病院の中に一件、偶然にも実家近くの産婦人科病院の名前が。少子化という社会情勢もあって院内の一部に入院の必要な老人を受け入れているらしい。診療を受けた経験があるわけではありませんが(断るまでもないですね)、病院自体は子供の頃から見慣れた場所。
残された時間が少ないのと、収容所を思わせるような規模の病院でないことも逆に安心できるような気がして、ダメモト程度の気持ちでコンタクトを取りました。面談を担当された看護師さんは、思いがけず最初の電話のときからとても親身にこちらの話を聞いて下さいました。
その病院は同じグループ内に老健の施設も抱えていて、面談でお話したこちらの希望を汲みとって頂き、院長先生に老健へ紹介状を書いて頂くことができました。申込みの手続きをとり、何とか診断書の内容もクリアー。やはり直ぐには空きベッドがなく、市民病院の退所期限も迫っていたため、とりあえず、病院の方へ転院し、老健の側の空きが出るのを待つことになりました。
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