昨年12月に母、今年5月に父、私を生み育てた二人が相次いで亡くなりました。
最期を迎えるまでの時間を介護する側として共有した経験は、きわめて個人的な経験であると同時に、私たちと同じように、親の介護を背負われた方の大半が共通して突き当たっていると思われるたくさんの矛盾や問題に、まともに激突するという経験でもありました。まだまだ現在進行形でもがいてみえる方たちにとっても、多少は参考になる部分もありそうに思いますので、一旦ここで、私たちに起こったことを整理してみようと思います。
■ある日突然に
父は長い間心臓の具合が悪く、5年ほど前には肺に水が溜まり半年ほど入院、それからは毎月1回通院が必要な状態が続いていました。特別養護老人ホームの入所手続きを進めていたのも、もっぱら、立ち上がるにも介助が必要になってきていた父の側の事情によるもの。
母の方は、徐々に体重が増えてきて糖尿病の心配はしていたものの、介護保険の認定のため、かかりつけの医院に連れて行くだけで、それ以外、お医者さんとはまったく縁のない生活をしていました。
それだけに急な入院は、私たちにとってまったくの不意打ちでした。
きっかけは、以前から在宅の介護、デイケア等をお願いしている事業所のケアマネさんからかかってきた、一本の電話。
「このところ急に体重が減ってきています。一度病院できちんと調べてもらった方が」
直前に実家へ行った際、少々元気がないように感じたことも気になり、「次の週には何とか時間を作って病院へ連れて行こう」と考えていたら、2~3日後のデイケアの日に再び電話。
「今日、デイケアに来て頂いたのですが、ひどい黄疸が出ています。急いでお医者さんに診せてあげて下さい。」
慌てて仕事を遣り繰り、何とか時間を作ってかかりつけの医院へ連れて行くと「胆道が詰っているようです。紹介状を書きますから、一度総合病院で検査を受けて下さい。」その日はちょうど土曜日だったので、週明け早々、都合の付かなかった私の代りに妻が付き添いH市民病院へ。
検査の結果は、「すい臓に腫瘍があり、それがもとですい臓が腫れて胆道を圧迫、胆汁が流れなくなって、食べたものが硝化できない状態になっている。」というもので、準備にさく時間もないまま、即入院。
これが、1ヵ月半に亘るパニックの日々の始まりでした。
■付き添いが問題
治療うんぬん以前に、入院早々大きな問題が発生しました。
母には軽い認知症があったので、いきなり病院側から「認知症の方は、個室でしか入院することができません」と言われてしまいました。
特に回りに迷惑がかかるような行動をするわけではなく、慣れない場所だと本人が不安になってしまうこともあり、家族としては「誰か話し相手になってくれそうな方と同室になってくれれば」という気持ちでいたのですが、「規則ですから」と紋切り型に言われてしまうと同意せざるを得ません。
当初の心配どおり、一人ぽつんと病室で過ごすのが母にはたまらなく不安で、ちょっと一人にするとひどく淋しがるようになってしまいました。
また、改めて病院側からも、「夜間は人手が限られるため必ず付き添いを付けて下さい。」と言われてしまいました。
■夫婦2人で、親3人を同時に介護
妻の方の父親は早くになくなりましたが、夫婦揃って長男長女ということもあり、当時の私たちは、夫婦2人で3人の親を同時に介護しなければならないという状況でした。しかも、母の入院で、3人それぞれ離れた場所で、別々に生活しています。
そういった状況の中、毎晩誰かが病院に泊まりこむのは不可能にも思えました。
とりあえず、私が早めに仕事を切り上げ病院に出向き、一晩院内で過ごして、翌朝、誰かと交代する、といったことを何日か繰り返しました。しかし、こんな状態はとても長くは続けらそうにありません。実際、仕事の面でも直ぐにいろいろ支障が出てきました。
二人の子供達も交代で泊り込むなど何とか時間をつなぎながら、先のケアマネさんに相談、いろいろアドバイスをして頂き、なんとか、夜間の付き添いをお願いできる家政婦さんを探し出しました。
家族以外のものが付き添うことは、現在の医療の場では認められていませんので、病院の方からは詮索がましく訪ねられましたが、あいまいに返事をしておいたら、それ以上細かく追求されることはありませんでした。事情があることはいやでも分かりますので、ある程度黙認してくれていたんだと推測しています。
この家政婦さんが、なかなか傑出した方でした。20年以上家政婦を務めていらっしゃりヘルパーの資格も持ってみえるということで、年齢を伺ったらお世話して頂いている母より一歳年上だったのには、思わず苦笑してしまいましたが、病室での寝泊りは私でもシンドかったのに、毎日てきぱき仕事をこなし、母とも直ぐに打解けて話のできる関係になってもらえたのには、大変助かりました。
こちらのしんどいときにこういった方と出会えたことは、実際してして頂いた内容以上にこちらの背中にのしかかっていたものを和らげてくれました。
さて、ここからマラソンを駆け抜けるように次々と大変が降りかかってくるのですが、以下は、次回以降に。
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